■紹介文
全日本選手権13年連続保持、天覧試合優勝も含め、15年間不敗のまま引退した。「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」と讃えられ、現在においても史上最強の柔道家と称されることが多い。また、その荒々しい柔道スタイルから「鬼の木村」の異名を持つ。だが、戦後、食えない時代にプロ柔道に参戦したこと、さらにプロレスラーに転向して力道山と不可解な謎の試合をやりこれに敗れたため、講道館をはじめ戦後の柔道界は木村の存在そのものを柔道史から抹殺し、柔道マニア以外にその名を知る者はいなくなっていった。しかし、2011年9月に出版された評伝『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)がベストセラーとなり、木村の名前は一気に一般世間に知られるようになった。さらにこの作品は原田久仁信の作画により週刊大衆で『KIMURA (漫画)』の題名で漫画連載、双葉社から単行本化され、さらに幅広い層の読者たちが、木村政彦の存在を知るようになってきている。